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 インターネットはグローバルブレイン 立花隆 講談社1997

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前に出た、「インターネット探検」の続編らしい。題名は、ピーター・ラッセルの、有名な「グローバル・ブレイン」から取ったという。

どこかで読んだものが多いと思ったら、週刊現代や、viewsで連載されていたものをまとめた本だった。連載の方のほとんどはネット上で公開されているので、何かの拍子に読んでいたものが多かった。それでもこうして本としてまとめて読むと、得られる感触が全然違う。図表や何かが落ち着いて読めるということもあるけれど、文字と画面とでは、人間の情報の吸収する経過のようなものが全然違うらしい。
この連載の数々は、たまにちょこっと読んでいるとどうということもないが、こうしてまとめて読むとやはりすごい。

最近はよく「インターネット万歳」のようなことを言うひとが多いようだけども、私はいつもこうしたことを聞くと、つい笑ってしまう。何だか熱に浮かされているみたいで、新興宗教の「救い」を声高に叫んでいる、みたいに思う。こんな風に笑ってしまうこと、いつからこうなってしまったのかなあ、と自らを思い返してみると、どうやら大前研一さんが、同じようなインターネット礼賛ばかりを語るのでうんざりしてしまったことが原因らしい。
以来「これからはもうボーダーレス!」「デジタルキャッシュの時代!」「個人が自由に発信!」「グローバルなネットワークでもう新しい時代!」云々と聞くと笑ってしまう。いえ、大前研一さんは嫌いではないのですけど・・・

やっぱり、インターネット礼賛をするのなら、このように、「いかにすごいか」というのをきっちり目の前に示して納得させてくれないといけないのではないでしょうか。立花隆さんはさすがに、こういう情報をまとめて示してくれる点で、空虚な言葉だけに頼るのではなく、中身もしっかりと見せて納得させてくれる。

後半は、対談という構成になっていて、最後の文芸春秋なんかでビル・ゲイツと対談しているぶんは記憶にあった。この対談の部分では、日本総合研究所の田坂広志氏との対談が一番面白かった。イントラネットなどの、主に企業内における、インターネット社会の可能性についてが語られているが、関係ないかと思っていたら、これからの可能性という意味で社会のいろいろな側面への示唆がある。
たとえば、電子メールが引き起こす変化、「ノウハウをいかに共有するか」という問題とインターネット、中間マージンはゼロになるまで流通革命は続く、と言う法則とインターネット、などなど。知っている人にはどうということもない話だろうけど、面白かった。

といってもこの対談自体が1996年のもので、このインターネットの進化の速さを考えるとやや古い話題かもしれない。詳しくないので私は良く分からない。いずれにせよ出版物というのは古いのは仕方がない。

インターネットがまだ、きわめて原始的なレベルにあるということは、中で行われている対談や、もちろんその紹介の中での携わる人たちの悪戦苦闘振りから、よく伝わってくる。何年かしたら、「あの頃は中身もむちゃくちゃで、わかりにくくて、設備も貧弱で、昔の人はこんな不自由なインターネットを、良くやっていたなー」と憐れみを込めて回想されるだろうということなんかも、よくわかる本である。


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