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精神世界BON
これはオーストラリアでの臨死体験についての研究です。 研究書なので、よくある体験談と違って、読む者に迫ってくる迫力や影響力と言う点ではちょっと いまいちかな、と思いますが、こういう本がひとつ増えるのもまあ良いかなと思います。 といっても読む前から内容はおおよそ予想できるもので、特に目新しいものではありませんでした。 何で今になってこれを翻訳しようとしたのかなあ、などと思ってしまいました。 でも相変わらず死んだ(?)あとの情景は面白い。 グランドで孫か何かに必死に話し掛けようとしている死者に、「いくら言っても聞こえませんよ」と たしなめるところなど良い。
ここへ来て内容ががらりと変わり、これまでのニューエイジ風な楽観主義や なんかが消え、少々痛々しい展開となっています。 離婚や病気や親しい人の死をはじめとする人生の負の面に向き合わねばならなくなったようで、 やはりニューエイジのように良い面ばかりを見るわけには行かないようです。 ニューエイジという世界観は確かに有る意味偏ったものでした。 今回はサイババのご利益も効きませんでした。 湯川さんの悲痛な叫びが聞こえてきます。 しかしこのためにバランスが取れてきたような気もします。 こういう悪い面も統合したところを、 次回のエッセイでまたいろいろ書いてほしいです。 きれいに起承転結の形 (今回が”転”) になりかけているようです。(傍観者として無責任な感想ですが)
この出版社もこういうものを出すのかなあ・・ シンプルな言葉が1ページにひとつづつ並んでいます。
もちろん始まりはマダム・ブラバツキーあたりからです。 あとグルジェフやクリシュナムルティといった有名どころをなぞっていくのですが、 この著者が徹底的に懐疑的なので、どの「神秘主義者」も 必要以上に矮小化され、いかにもつまらない人々であるか のように描写されてしまい、もちろんそのような人もいるはずですが (たとえばブラバツキーがインチキをしたのは確かだろうし)、 むしろ著者の《悪意》のほうがちらついて、なかなか素直には読めません。 この著者にかかると、すべての神秘家は自分のちっぽけな欲望やコンプレックスの振り回された つまらないただの人間と言う事になってしまいます。
いったいどんな人かなあと思っていたら、この本で顔写真をはじめて見ることができました。 こんなひげもじゃの眼光の鋭い人だったんですね。 シュタイナーの本についてですが、学者でここまで書くのも珍しいかもしれません。 シュタイナーといえば、神秘的側面ー転生のメカニズムなどーを落とすわけにはいきませんから。 シュタイナー流の瞑想をしていて半年かそこいらで、突然神秘体験をして 怖くなって?やめた、と正直なところも面白いと思います。
この本を読んでいて、「なまけ者の悟りかた」をしきりに思い出しました。 単に本のサイズやページ数が似ていると言う事だけではなくて どちらも、とても優れた”精神世界本”であるというためです。 ”優れた精神世界本はこのくらいの大きさと厚さである”という法則があるのかとさえ思えます。 文字どうり4つの約束を守る事で平穏な心を育てようと言う内容です。
@ 正しい言葉使うこと
というもので、まあ、だいたい内容はわかるかもしれません。 中身は「なまけ者の悟りかた」よりも単純と言って良いかと思うのですが、
内容云々以前に、このネイティブである著者の雰囲気や姿勢に
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