クン氏の穏やかでラジカルな日常の、間。



そのとき急に、オレはなんだかオカシな気分になってきた。
自分に宿っているイノチというかタマシイというのか、ともかく[オレをオレたらしめている、何かしら根本的なもの]が、フーっと拡散しはじめて、オレの体から出ていく。
それは、実に気持ち良いんだ。
自分がどんどん透明になっていくみたいで、うっとりしていた。
ところが、
「むっ、これ以上広がっていってしまうと、オレは死ぬな」と思った瞬間から、にわかにコワくなってきた。
「死ぬんだな。もう、この場この世界にいることは、できなくなるんだな・・・まだ、この場と一緒にいたい。この場と通じ合っていたい。」という感覚だったんだけど・・・・分かってもらえるだろうか。
人は、自分に宿っているイノチだかタマシイが、この世界の中で、この世界と共存共生しているあいだだけ、この世にいるんだね。



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